パン酵母を利用した組換えDNA実験

愛知県立時習館高等学校

理系生物選択クラスにて、実験を行いました。(200811)

23グループで実験を行い、カビが混入したのは1班のみでした。(カビの量もわずかだったため、コロニーの観察も充分に行うことができました。)すべての班で形質転換が確認できました。以下に、各班のコロニー数を載せます。同じように操作しているはずですが、コロニー数には随分差がありました。

《最小培地に現れた遺伝子導入酵母のコロニー数》

コロニー数

80

46

14

81

24

92

89

51

10

11

12

13

14

15

16

コロニー数

172

48

27

53

78

87

196

15

17

18

19

20

21

22

23

コロニー数

29

306

98

24

189

12

94

「アミラーゼ」という生徒たちには身近な酵素の実験なので、理解しやすいと思いました。

ウラシル欠損株を利用することで、一遺伝子一酵素説の栄養要求株の理解につながると感じました。酵素反応もヨウ素でんぷん反応で確認できるために、結果の予測も可能であり、とても良い教材だと思います。無菌操作に関しても、さほど神経を使わなくても大丈夫でした。

20093月には、1年生で高価な大腸菌形質転換キット(ルシフェラーゼとアンピシリン耐性遺伝子導入)を利用して実験を行いましたが、培地の準備や、マニュアルどおりに行ってもなかなかコロニーができず苦労しました。実験マニュアルを改良してなんとか実験を行うことができましたが、酵素反応を確認するために暗室にし、ルシフェリンをコロニーに滴下しても、わずかな光を確認することができるかどうか。確かに「光る」ということにはインパクトはありますが、実験を行うにあたっての労力が大変でした。

こちらの研究室から送っていただいたキットは、教員の負担はほとんどなく、無料にもかかわらず、こんなに準備いただいてよいものだろうか??と疑問に思えてしまうほどでした。

本当にありがとうございました。生徒たちも他校の生徒さん同様、こんなに簡単に形質転換が起こることに驚きを感じるとともに、高校でこのような実験ができたことを、とても喜んでいました。

今後もどうぞよろしくお願いいたします。